2009年10月16日

連載紀行文 修学 第13回

連載紀行文 修学

第3回



 2日目 8月28日

 僕が目覚めたのと、目覚まし時計がベルをかき鳴らしたのはほぼ同時であった。……いや目覚めたのは目覚ましが起動するだいぶ前だったか。
 僕はあの不愉快なベル音に叩き起こされることなく、自力で起きることができた。睡眠時間は充分あったとはいうものの、やはりなれない地という事もあったのだろう、体からはまだ疲れが抜け切ってないようであった。起床時間もかなり早めに指示されており、まだまだ寝たりない。だが、この状況で再度就寝し大幅な寝坊になった経験のある僕は、おとなしく床を離れることにした。
 使いにくい洗面台で顔を洗うと、目覚ましの鳴る音がした。やがて皆が続々と半目(はんめ。造語か?)になり洗面台へと進んでくる。こちらが挨拶をかけても心ここに在らずという返事が返ってきた。
 ふと鏡を見た。僕が心ここに在らずという顔でこちらを見ている。……他人のことは言えなかったか。
 
 やがて僕も含めて皆の顔に生気が戻ってきた頃、朝食が運ばれてきた。昨日の夕食と比べるとやはり活気が無かったが、同じような雰囲気で僕達は朝食をとった。
 部屋備え付けのテレビからは地元で製作されているであろうニュース番組が流れている。標準語で話すアナウンサーは関東のそれと変わらなかったが、インタビューを受ける街の人々はやはり関西訛りが入っていた。
 
 朝食の後、各々は荷物の準備にとりかかる。
 程なくして集合の号令がかかった。僕は荷物の鞄をからうと、また始まる濃厚な一日に向けて心の中で気合を入れた。

ところで、修学旅行で友人に貸した1000円をまだ返してもらっていないことを思い出した。
続く
posted by カントリー at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 連載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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